株式併合とは何か？2014年9月末実施の銘柄一覧

「株数がいきなり減っちゃったけどどうして？」「新聞で株価をみているけど、いきなり倍くらいの値段になった。こんなことってあるの？」という質問を受けることがあります。

日本の株式市場では日々の株価の値動きには制限があり、前営業日の株価を基準として、1日にこれくらいまでなら上げていいという値段（上限）、これくらいまでなら下げていいという値段（下限）が決まっています。

そのため、いきなり株価が2倍になるということはありません。そういった状態になった場合は、基本的には「株式併合」がおこなわれています。

今年7月末にマツダ（7261）で5株が1株にまとめられる株式併合がありましたが、つい先日の9月末にも、いすゞ自動車（7202）をはじめとする数銘柄の株式併合がありました。

それらの銘柄の株主のなかには急に株価が大きく変動しておどろいた方もいるかもしれないので、ここで株式併合についておさらいしておきましょう。

株式併合とは

株式併合とは、数個の株式をひとつにまとめることです。たとえば上記のマツダの例なら5株を1株にまとめており、その結果として発行済株式総数は5分の1になりました。

発行済株式総数が半分になっても株主価値が減少するわけではないので、株主が保有する株式の評価額が変動しないように、株価が調整されます。上記のマツダの例では、理論的には株価は5倍になります^※。

※ 株価には日々変動があるので、実際にちょうど5倍になった瞬間があったかはわかりません。

単元未満株が発生することがある

株式併合によって、単元に満たない株数「単元未満株」が発生することがあります。たとえば1,000株単位の銘柄を3,000株もっているときに、4株を1株にまとめる株式併合と、1,000株から100株への単元株数の変更がおこなわれるとします。

このとき、併合後の株数は750株になりますが、単元株数は100株のため、50株が単元未満株になります。

単元未満株には配当の権利はつきますし、株主優待をうけられることもあります。しかし、経営参加権は認められません。

また、単元未満株の売買の取扱いのない証券会社があったり、取扱いがあっても買増請求はできず買取請求（売却）にも条件がつけられる場合があったりします。株式併合では株式の価値はかわりませんが、そういう意味では不利益をもたらすことがあります。

同じような流れで、1株に満たない株数が発生することがあります。その場合は基本的には、端数分に対する代金が支払われます。つまり現金化されるため、その分の株主の権利はなくなることになります。

株式併合の流れ

株式併合はだいたい月末におこなわれます。通常の配当の権利取りなどと同じように、月末を基準日とする場合はその3営業日前の日が権利付き最終売買日になります。

2014年9月末の例でいえば、25日（木）が権利付き最終日で、その日の株主は翌26日（金）に保有株数が変更になりました。

2014年9月末の株式併合銘柄

2014年9月末には10銘柄の株式併合がおこなわれました。以下にその銘柄と併合比率をまとめます。

• 世紀東急工業（1898） 5株→1株
• 江崎グリコ（2206） 2株→1株
• 松本油脂製薬（4365） 25株→10株
• 東京特殊電線（5807） 10株→1株
• OSJBホールディングス（5912） 2株→1株
• いすゞ自動車（7202） 2株→1株
• カーチスホールディングス（7602） 10株→1株
• 河合楽器製作所（7952） 10株→1株
• ユアサ商事（8074） 10株→1株
• 関西アーバン銀行（8545） 10株→1株

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