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シュガー・ラッシュ:オンラインの感想と評価

   

「シュガー・ラッシュ:オンライン」を見たので感想をば。あらすじ説明の後に、思いついたことを列記します。

前作シュガー・ラッシュは大好きな作品で今作も期待していたのですが、正直残念な気持ちでこの記事を書いています。

※ ネタバレ全開なのでご注意を。

シュガー・ラッシュ:オンラインのあらすじ

前作で仲良くなったラルフとヴァネロペは毎晩一緒に過ごしている(食べ物や飲み物は摂るけど睡眠は必要ないんだっけ?前作では寝てた気がするけど)。

2人は価値観が違いながらも楽しんでいた。ある日、ヴァネロペが毎日同じコースを走ることに飽きていると知ったラルフは、ゴール一帯を壊して新しいコースを作る。

ヴァネロペはそのコースを喜んで走るが、プレイヤーを無視して暴走した結果、それに抗おうとプレイヤーが激しくハンドルを操作し、ハンドルが壊れてしまう。ゲームのプラグは抜かれ、シュガー・ラッシュ内の住民は避難

家を失うことになっラシュガー・ラッシュ内の住民と、自分が好きなゲームを元通りにするため、ヴァネロペはラルフと一緒にゲームセンター内の回線からインターネット世界へ入り、オークションサイト(eBay)でハンドルを購入することを決意。

2人はハンドル代を稼ぐために四苦八苦するが、最終的にラルフは購入代金をゲットして問題は無事解決

しかしヴァネロペは、資金作りの過程で見つけたレースゲーム「スローターレース」に夢中になり、そここそが自分の求めていた場所だと確信する。自分の本当の気持ちに気づいたヴァネロペ。

変化を好まずヴァネロペとの2人の生活がずっと続くことを望んでいたラルフは、ヴァネロペが別の世界に奪われるのを恐れ、スローターレースの世界を壊そうとする。

(正確には、ヴァネロペが楽しいと感じていると思われる、スローターレース内のカートの”スピード”が損なわれるように、ウイルスを忍び込ませる。)

ウイルスが増殖し、スローターレースはリセットされることに。他のゲーム内にはデータがないためリセットされるとヴァネロペは存在が消滅してしまうが、逃げ遅れそうになる。危機一髪でラルフが救出

自分の不具合がゲームを壊したと自責の念を感じるヴァネロペに、その命を奪いそうになったことで責任を重く受け止めていたラルフは、事情を話す。結果、ヴァネロペ大激怒

「友達ならそんな酷いことするはずがない」とヴァネロペは怒り、2人の友情の象徴である「私のヒーロー」メダルをラルフの首からとり、投げ捨てる。

弱ったラルフは、その弱点をコピーして増幅させる先述のウイルスの格好のエサになり「ラルフウイルス」を生成され、ネット中にバラまかれてしまう。危機に陥るネット世界。

それを止めるべくヴァネロペは、ラルフウイルスに対し、ずっと一緒にいるからおさまってほしいと説得。しかしラルフは反対に、友達の夢を奪うことはいけないとウイルスを諭し、ウイルスは沈静化。

割れたメダルを2人が半分ずつ持ち、ヴァネロペは新しい世界(スローターレース)へ、そしてラルフは元の世界へ戻る。ラルフは、以前より少しは変化を楽しめるよう努力するようになったとさ。

感想や疑問点等

・ ラルフはヴァネロペを喜ばせたい一心で新しいコースを作ったが、それが皮肉にも、ヴァネロペが違うコース(別の世界)へ行くキッカケになってしまった。

・ ヴァネロペはシュガー・ラッシュを抜け出して大丈夫なのだろうか?いわゆる「ターボ」しちゃったわけで、それが非常に軽く扱われていることが今作最大の問題だと思う。

前作ではあるキャラがターボしたことがヴァネロペ迫害につながり、彼女は寂しい思いをした。そしてラルフがターボすることで問題を起こしながらも、結果的に2つのゲームがより子供たちに受け入れられることにつながり、2人は親友を見つけた。

つまり、ターボはシュガー・ラッシュにおいて超重要な要素であり、今作でそれを軽々しく扱うべきではなかった。扱うならしっかりやるべきだった。

ヴァネロペは新天地であるスローターレースに移りたい気持ちから「自分はシュガー・ラッシュ内の16人のうちの1キャラに過ぎない」と言っていたけど、最強のレーサーであり、子供に人気があったので、全くもって単なる1キャラではない

そんな簡単にターボしちゃいけないキャラである。

それを「変化」と「安定」という対比のためだけに、ご都合主義的に”変化”させ、重要なテーマを陳腐化させてしまったために、ヴァネロペが、メインロールでありながら記号的に映ってしまった。

ラストには、ヴァネロペがいなくなった後もシュガー・ラッシュがしっかり存続している様子が描かれたが、ゲーム内のキャラやゲームセンターのお客である子供たちは受け入れたのだろうか?

ターボしたら故障ということで、ゲーム消滅の危機じゃないのか。そこらへんのフォローが皆無だったのもご都合主義としか言いようがない。本当に同じ監督と脚本による作品なのだろうか…。

・ ストーリーのペース配分が悪いように感じた

ハンドル購入のためにラルフがあの手この手をつくして頑張るわけだが、物語の核心はそこではなくヴァネロペの変化に伴う2人の関係の変化なので、購入のための資金稼ぎのパートを重くしたせいでリズムが悪くなり、物語に入り込めなかった。

もちろんその過程でヴァネロペは新しい世界を知るので必要なパートではあるし、ネット世界というのを舞台にした今作における映像的な仕掛けを披露する目的もあったのだろうが、個人的にはバランスが悪いと感じた。

そのバランスが悪いために、終盤の2人の離別シーンが非常にアッサリに感じられるし、その後もいつ反省していつ仲直りしたの?というくらいコロコロ動く。

もちろん彼らの心中は描かれてはいるのだけど、時間配分が短すぎた。特にヴァネロペに関しては、もうラルフの顔も見たくないみたいな雰囲気になった後にラルフを見てもさほど嫌がらないし、すぐに「元に戻るから」と折れてしまう。

・ 事程左様に、2人の心情の描き方が不十分なため、キャラとしての魅力が損なわれ、メインロールでありながら、2人が記号的に感じられてしまった

感情移入できないし、前作で描かれた2人の友情ってこんなものだったっけ?と思われて、今回の”変化”についても感慨を抱けなかった。

個人的には、ヴァネロペがラルフに対して怒るシーンは、もう少し時間をかけて2人の怒りと絶望をドラマチックに描くべきだったと思う。

2人の友情の象徴であるメダルをヴァネロペが投げ捨てるシーンは、もっとラルフの絶望を感じられる”間”を入れて欲しかった。

また、そこから2人の変化と成長を決定的にするまでの道程をこそ、もう少し重みをつけて描くべきだったのではないか。

・ Yahoo!のユーザーレビューにあった「ラルフがメンヘラ彼氏にしか見えない」に激しく同意。

ただ2人は親友であり、その間にあるのは友情であるはず。

なのだが、今作では完全に奔放な彼女とメンヘラな彼氏になっていて、しかもそれが大きなオッサンとロ○少女とで描かれてるものだから、見方によってはかなり危ないような…。

大きなオッサンが小さな女の子に対してメンヘラ彼氏のように振舞い、あまつさえ(彼の心の弱い部分を映したウイルスが)ネット世界を暴れまわるのは、痛々しすぎて見ていられなかった。

前作からそういう部分があったと言えばそうだが、前作では絶妙なバランスが保たれていたのに対して、今作ではその件に関してラルフの暴走が行き過ぎていて、ちょっと受け入れにくい。

今作は、ラルフに対して辛辣すぎないだろうか。

・ プリンセスの自虐(「大きくて力強い男性に助けられてるって思われてる?」は最高だった。最近のディズニーの路線変更と、過去作との決別の象徴)、ヴァネロペの「絶対にあり得ないけど」からのプリンセス・ヴァネロペはおもしろかった。

・ メタ的な要素が多いのは、もともとメタな話であるシュガーラッシュには適しているのかも。

・ ラストのウサギがパンッというシーンは、シニカル・アイロニカルな部分が多い今作においてもレベルも質も違うブラックジョークで、流石に子供に受け入れられないだろうし、大人の自分も不要に感じた。

以上です。

前作「シュガー・ラッシュ」は何度も見ているくらい好きな作品なので、今作には大きな期待をもって映画館に足を運んだのですが、いまはなかったことにしてほしいとさえ思っています。

時間が経ったら別の感想も出てくるとは思いますが、きちんと受け入れられる日がくるかどうかは…どうなんだろう。すこし難しい気もしますが…。

 -映画とテレビ

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